さようなら2022年
むらかみです。
2022年も終わりです。
1年の締めとしてブログを書いておきたいと思います。
今年も引き続き「portrait(s)」の制作を進めました。
4月に倫典くんの卒業のシーンの一部を撮影したのですが、
倫典くんを演じてくれている桑原ゆずさんの成長にびっくり!
^^;
前の年の12月に撮影してから4ヶ月ぶり?の撮影でしたが、
一気に大きくなっていて、僕と同じくらいの背丈になっていました。
「これはヤバい!早く子どものパートを撮り切らないと!」と
そこからは子どものパートを中心に撮影を行なっていきました。
塾のパート、そして倫典くんのシーンとしては
重要な「お泊まり会」のシーンを実は
先日12/26までやっていました、、。
「お泊まり会」のシーンは夏の設定で、9月に撮影を開始したのに
何やかんやで12月までやっているという、、^^;
寒い中、頑張ってもらいました。
「お泊まり会」のシーンはトータルすると5日間かけて撮った事になります。
とても贅沢ですね。観てもらうのが今からとても楽しみです。
思春期の性という難しいシーンを撮影させてもらえた事、
Mミュージック様、そして演者の桑原ゆずさん、小川翔大さん、YUZUKIさんに
感謝してます。ありがとうございます。
特に演者の3人はセリフだったりシーン自体だったり、
恥ずかしさもあるだろう中、やってくれた事、とっても微妙な時期の大切な時間を
撮影のために与えてくれた事、感謝してます。ありがとうございます。
作品は記録でもあるので、良い思い出として
残ってくれたら嬉しいです。
「お泊まり会」のシーンの舞台となるのは、倫典くんの同級生の大地くんの家です。
こちらの撮影の舞台は「撮影場所募集!」の書き込みを見てご連絡をくれた
鳥海さんのお宅をお借りして行いました。
僕は運命論者なので、特に強く思いましたが、
縁だなぁと…。
連絡をいただいて、初めてお宅を見学に行った時に、
「すごい!ここで撮れたらめちゃくちゃいい!」と思ったと同時に、
一気に「お泊まり会」のシーンが具体的になっていきました。
鳥海さんからご連絡いただけてなかったら、お宅をお借り出来てなかったら、
「お泊まり会」のシーンはなかったかもしれないです。
本当にいろいろ好きに撮影させていただき、ありがとうございました。
有名な映画を作ってる訳でもない、全く知りもしない人間を招いて、撮影させてくれる、、。
ありがたいです。
しかもここ2~3年の疾病騒動の中で行わせていただける事。
感謝しかないです。
そして、もうひとつ、学校のシーンの撮影!
30人の子どもを集めるのに、スケジュール調整でともかく大変でした。
そして、人件費も大変!
なので当初は予算の関係で1日で撮り切る予定でしたが、
一人一人ちゃんと撮りたかったのもあり、
結局3日間行い、来年もう1日行う予定です、、^^;
それでも現場はバタバタで、全然余裕なんてない感じでやりましたけども^^;
撮影にお借りした場所ですが、実は初めて作った映画「カケラ」で
お借りした場所でもありました。
今回の撮影にあたり、その事をお伝えしたら、
担当の方は「覚えてます」と言ってくれました。
15年前とかの撮影のことを覚えてくれていた事、
小さな映画作りでも、続けてれば、知ってくれてる方もいるんだなぁと、
とても嬉しかったです。
撮影当日は30人の演者が集合して現場に入るので、
現場近くの公園で集まって、点呼を取っていました。
すると、撮影現場の担当者の方が公園に来て、近所から通報されたとの事。
なので現場の校庭に入ってくださいと伝えにきたのでした。
9時半の公園で、騒いでいる訳でもない(僕はうるさいのには敏感に注意してます)のに
通報されてしまう。しかも公園とは無関係な近くの施設に「そちらの関係じゃないの?」と。
普通に子どもが遊んで騒いでいたらどこに通報するつもりなんでしょう?
もちろん住んでる方が本当に困っているなら改善すべき事はあるでしょうが、
それなら公園をなくしますか?
最近、いろいろな不寛容さにすごく嫌な気持ちになります。
その日の撮影の終わり、現場の担当の方は「お疲れ様でした。お気をつけてお帰りください」
と労わりの言葉をくれました。朝の集合時にご迷惑をおかけしたのに。
撮影の終わりにそのように声をかけてもらい、すべて報われた気持ちになる撮影でした。
撮影は僕自身とても楽しいし、好きなのですが、
いろいろ準備が立て込んだり、連日の撮影が続くと
やっぱり疲れが溜まるのを実感した今年の後半でした。
それでも体調を崩して延期したり中止したりする事なく今年1年を終えれたのでよかったです。
12/9~11は8年ぶりの上映会を行いました。
集客はいつものように苦労します。
チラシを都内のミニシアターに置いていただきましたが、
毎度の事ですが、なかなかチラシの効果は感じれないです、、。
それでも、現在「portrait(s)」を制作している事もあり、
indust-filmのことを知らない新たなお客さまに来てもらえたのが
嬉しかったです。Youtubeを始めて改めて良かったと思いました。
朝から晩まで1日に4本も映画を観る機会はなかなか無いと思いますが、^^;
4本観てもらうと、活動を全て観てもらえた感じがして、
自分を深く知ってもらえた気がして。
映画は作ると無くならずに、いつまでも蘇って
当時の自分の事を映し出してくれるなぁと思いました。
「カケラ」は作った当時恥ずかしかったし、
今も恥ずかしくはあるんですけど、
改めて観て、当時の自分がそこに写ってるなぁと、
嬉しい気持ちの方が大きかったのが今回の上映会での発見でした。
毎週土日に三脚を担いで新小岩に通って撮影した日々を思い出してました。
「僕たちのマーチ」は完成した時も、今も、特別です。
それがずっと変わらないのが嬉しかった。
「あなたとの距離について」は
今まで映画祭とかで上映してもらったり、何回も観てる訳ですが、
涙が出るような感じはなかったんです。
でも今回の上映ではグッとくる部分が増えました。
今回の上映会のメインのプログラムでもあるので
また新しいお客さまにこの作品を発見してもらえた事が
とても嬉しかったです。
「portrait(s)」、実は上映会の二日前から徹夜で、、
なんとか当日に仕上がったものの、
書き出しは劇場にデータを持ち込んでやっていました、、。
なんとか間に合って良かった^^;
今回の上映会では全作品日本語字幕付きを謳って開催しました。
それは、全作品にすでに日本語字幕がついているものとの考えからですが、
実際にデータを確認すると、「カケラ」は字幕のデータを失ってしまっていて、
一から付け直しました、、、^^;
「僕たちのマーチ」も貼り直す作業が出てきたり、上映会の直前に
字幕の作業に追われていました。
少しでも多くの方に観てもらいたいとの思いで「日本語字幕」をつけての上映を行った訳ですが、
実際には全く集客には効果がありませんでした。
「日本語字幕をつけてほしい」層に上映会の情報を届けたいと告知を試みましたが、
メジャーな映画に対して、日本語字幕をつけてほしいのであって、
「インディペンデント映画に興味がある」訳ではないと思い知りました、、。
小さな映画が日本語字幕をつける事は選択肢を広げる事になるのではと思いながら
今まで日本語字幕をつけてきたのですが、そもそも観てもらえないなら
徒労なのかもしれないというのが、今回の上映会での残念な感想です。
上映会で良かった部分は、トークの時間を長く取ったので
お客さまにも特別な鑑賞になったかなぁという事です。
あと、上映会後に2回目の年末ライブ配信をやりました。
主に「portrait(s)」のキャストに
いろいろおしゃべりして頂いたのにも感謝ですが、
「僕たちのマーチ」から、
音楽を担当してくれたやすとくんと
太田くん、
当時はお手伝い、今は映画制作者として
2022年の東京フィルメックスでも最新作「石がある」
が上映された太田達成くんと、おしゃべり出来たのは
嬉しかったです。
特に、太田くんは、作った映画を公開する為にどうするのか、
とか、映画祭の意味、意義について
そのような話も出来ました。
「あなたとの距離について」で、
僕もありがたい事にいくつかの映画祭に、久しぶりに参加して、
例えば「おおぶ映画祭」では原田涼監督の「さよならを迎えに」という
素晴らしい作品と出会いました。
けれど、作品の素晴らしさと、
映画祭などの評価が合ってないと僕は思いました。
どんなに素晴らしくても映画祭に選ばれない作品もある。
映画祭が選ぶ映画と、そこからこぼれてしまう映画。
こぼれてしまった映画が価値がないのではない。
売れる為の作品、売れなくても意味のある作品が必ずある。
それを強く感じていました。
太田くんはフィルメックスで上映されたばっかりなのに
同じような問題意識というか、認識を共有出来たのも嬉しかったです。
僕はこれからの時代は、映画作りに限らず、
ローカルである事が重要だと思っています。
それはイコール、インディペンデントである事なんだと思ってます。
スポンサーのしがらみがない体制(インディペンデント)である事の重要性は、
最近のSNSなどでの言論統制や、誘導、
テレビ局の報道姿勢を見てても感じます。
「portrait(s)」はYOUTUBEで公開していくという
形でチャレンジしていますが、
プラットフォームはYOUTUBEだけではないので、
インディペンデントだからこそ、縛られずに、自由に、
自分たちの考え方に合う公開方法や場所を模索できると思っています。
話が脱線してしまいましたが、、
やっぱり、映画を作り続けてる知り合いがいるのは
とても励みになるし、勇気付けられるなぁと思いました。
僕も頑張らないと!
またゆっくり呑みながら3人で話したいな!
あと、今回の上映会で重要に考えていた事のひとつで、
マスクその他、感染症対策の名の元で
いかなる実質的な強制も行わないという事がありました。
この2~3年、ほとんどの場所でマスクや感染症対策の
実質的な強制が行われてきたと思います。
美術館や図書館はシェルターの役目が一定あると思っていますが、
公衆衛生の名の元で人を排除する事に
疑問を持たない社会が形成されたと思っています。
人権にとても意識的であった演劇や表現界隈の人たちも、
感染症対策の名の元では、自分で考えたり、
疑問を呈する事もなく右へ倣えし、
本来任意であるはずのものを強制し、
従わない人は排除。
渋谷区が宮下公園のホームレスを排除した事を
問題視した人権感覚はどこへいってしまったのか?
ハンセン病の差別の教訓は?など
とても不思議で、人権や個人の自由の儚さと
失われる怖さを感じ続けています。
表現をしている者として無力感とともに、
人権意識というのはこうも脆いものなのだと、
とても危機感を抱いています。
社会が全体主義に大きく傾いて、戦争の雰囲気を感じています。
自分たちで上映会を行うに際して、そのような強制は行わない、
その事は強く考えていました。
インディペンデントで活動しているので
どこに忖度する必要もなく、自ら押し黙る事なく、
活動の中で表明していかなければと思っています。
Twitterなどではツイート、リツイートしていた内容ではありますが、
上映会の振り返りで改めて書いてみました。
2022年もたくさんの方のご協力、ご支援をいただき
ありがとうございました。
制作中の「portrait(s)」について
たくさんの応援もいただきました。ありがとうございます。
2023年、もう少し今の状況も改善されて、
動きやすくなれば良いなぁと願っています。
引き続き自分たちなりの制作活動を続けていきますので
見守っていただけると嬉しいです。
むらかみ